仕事での「ノルマ」とは、各自に課せられた仕事量のことです。
「目標」とまぎらわしいですが、あちらは「ねらい」「目当て」など「達成を目指しましょう」というニュアンスです。
一方、ノルマは「達成しないと困る」という重いニュアンスの言葉です。
どの仕事にもノルマはありますが、営業や販売では特に顕著です。
ノルマを達成できず、プレッシャーやストレスで追い込まれているサラリーマンは世に多くいます。
ノルマが達成できないってほんとに辛いですよね・・
この記事では、仕事のノルマについて深く掘り下げていきます。
仕事のノルマを達成できないと辛い理由
企業が利益を生み出すために欠かせないノルマですが、そのノルマのために追い込まれている人が数多くいるのが事実です。
ここでは、仕事のノルマを達成できないと辛い理由を説明していきます。
自己評価が下がる
まず、ノルマを達成できないと自分に自信がなくなります。
特に周りの人が皆ノルマを達成しているのに自分だけができていないと、肩身が狭く劣等感を感じるでしょう。
仕事の成果を一覧で張り出されたり、上司から叱られたり、陰口を叩かれたりすると「私は何てダメなんだろう」と余計に自分を追い込んでしまいます。
フルタイムで働いていれば、残業なしでも実に8時間職場で過ごすことになりますよね。
1日の1/3を過ごす職場で結果を出せないと、自己評価が大きく下がってしまうのは当然です。
同僚や先輩に迷惑をかける
どんな職場でも、仕事のできない人が1人いると周りの人の負担が増えてしまいます。
1000の仕事を明日までに5人で終わらせなければいけない場合、1人あたり200の仕事をすることがノルマになりますよね。
5人のうち1人だけ50の仕事しかできなければ、残りの4人は約240の仕事をしなければ納期に間に合わなくなります。
管理職の負担も増えてしまいます。
部下にノルマを達成させることが管理職の仕事ですので、できない人がいればどうしたら達成できるのかを考えて行動に移さなければいけません。
指導案や改善案を考えるのにも労力を使いますし、さらに上の上司からのプレッシャーもあります。
周りから「できない人」として見られる
ノルマを達成できなければ、周りから「仕事のできない人」として見られることもあるでしょう。
職場によっては、営業成績をグラフで目立つところに張り出されるところもあります。
周りの人達がノルマを達成している中で、自分だけが達成できず少ない成果しか残せなかったら、さてそれを見た人はどう思うでしょうか?
「この人は仕事ができないんだな」と思ってしまいますよね。
特にグラフや表は、成果が誰から見てもわかるよう視覚的に表してしまいます。
視覚的にわかる形で評価されなくても、仕事ぶりは人の目につきます。
誰かが仕事中にふと周りを見渡して「あの人あれしか仕事をしていない」と気づき、その積み重ねで「仕事ができない」「使えない」という印象が広まり、職場にいづらくなってしまうでしょう。
上司から叱られる
これは職場の上司次第ですが、ノルマを達成できないことで叱られることはよくあります。
ノルマ達成のためにアドバイスをしてくれる優しい上司なら良いですが、必ずしも人に恵まれるとは限らないのが現実です。
中には、きつく叱ったり圧力をかけたりすることでノルマ達成に向かわせる上司もいるのです。
ノルマを達成できない人がいることでさらに上の上司から叱られ、そのストレスを部下にぶつけて発散するタイプの管理職もいます。
不運にもそんな上司に当たってしまった場合、ノルマを達成できないと叱責のターゲットになってしまうかもしれません。
査定に影響する
特に営業の場合、ノルマを達成できないことで査定に影響することもあります。
まともな企業ならノルマを達成できないからといってすぐにクビになることはあまりありませんが、昇給やボーナスの時に待遇で差をつけられてしまいます。
あまりにも結果を残せないと、リストラの候補になってしまうかもしれません。
周囲の反感を買って、最悪の場合職場いじめに繋がる
悲しい現実ですが、ノルマを達成できないことでいじめの対象になってしまうこともあります。
職場で同じ時間働いている2人のうち、片方の仕事量が多くもう片方の仕事量が少なければ、多く仕事をしている人は不満を持ちます。
「こっちはこんなに頑張っているのに、あの人はあれしか仕事ができていない」となれば当然面白くないですよね。
前述したように、ノルマを達成できないと他の人の負担が増えてしまうため「あなたのせいで私にまでしわ寄せが来るの」と思われてしまうかもしれません。
負担の差によって反感を買ってしまい、最悪の場合いじめに発展してしまうこともあります。
学生時代のようなあからさまな嫌がらせは少ないかもしれません。
それでも悪口や嫌味を言われることがあるでしょうし、反感を買うことで職場での居心地はより悪くなってしまいます。
仕事のノルマを達成できない理由
仕事のノルマを達成できない理由は多岐に渡りますが、大きく分けると2つのパターンがあります。
本人に原因があるパターンと、職場側に原因があるパターンです。
前者なら工夫や努力で改善の余地がありますが、後者の場合は転職や部署異動を考えることも時には必要です。
知識がない
仕事を始めたての人に多いケースです。
何の仕事をするにしても、それに対する知識が必要です。
例えば営業では、商品知識がないと話になりません。
その商品の魅力やメリットを知っていなくて、どうやってお客様に買って頂くのでしょう。
また、仕事自体のノウハウを知らないことも考えられます。
後述する「段取りが悪い」にも通じますが、効率の良い仕事の仕方がわからなかったり、仕事術を知らなかったりすると上手く結果を残すことができません。
段取りが悪い
どの仕事でも言えますが、段取りが悪いと生産性が下がります。
例えば営業なら、1日でどれだけ多くの訪問ができるかで成果が変わってきます。
仕事は計画、事前の準備が何より大事です。
手帳で予定を管理する、時間のある時に雑用を終わらせておく。
これらができないと、時間の無駄が多く発生してしまいノルマ達成が遠のいてしまいます。
コミュニケーション能力が弱い
コミュニケーション能力不足も、ノルマを達成できない原因になります。
まず、営業職や販売職はお客様に商品を買って頂くことが仕事です。
商品の良いところをわかりやすく説明し、興味をひくことができなければ成果に繋がらずノルマ達成が遠のいてしまいます。
また、社内の人とコミュニケーションを上手く取れなければ良い情報を得ることができません。
長く働いている先輩社員からノウハウを得ることもできず、顧客の情報を知ることもできません。
大学生の頃、試験前に過去問が出回っていたことがありませんでしたか?
過去問だけに頼るのが良くないのは当然ですが、あれがあるのと無いのでは効率が天と地ほどの差になりますよね。
先輩経由で同級生の間に広まるため、人脈のある人が要領よく勉強している一方で、友達がいなかったりサークルに入っていなかったりする人が馬鹿を見ていませんでしたか?
それと全く同じで、人間関係を上手く築けない人は仕事でも損をしてしまうのです。
周りの意見を受け入れない
プライドが高すぎる人によくあるケースです。
自分の考えや意見に固執していると仕事での問題点を直すことができませんし、他の人の良いところを吸収することもできません。
「こうすればもっと良くなるのに」と周りがアドバイスしても、本人がそれを受け入れていなければ仕事に反映されません。
周りの声に耳を傾けないと学ぶことができないだけでなく、「人の話を聞かないんだ」というレッテルを貼られて誰もアドバイスしてくれなくなり、情報が得られなくなるという悪循環に陥ってしまいます。
質にこだわってスピードを意識できていない
仕事の質はもちろん大事ですが、それだけにこだわってスピードを意識できないとノルマを達成できないことに繋がってしまいます。
学生時代のテストを思い出してみて下さい。
ミスをなくすことは大事ですが、あまりにも慎重になりすぎると時間が足りなくて全ての問題を解ききれず得点になりません。
特にセンター試験では、これで痛い目を見た受験生が数多くいるはずです。
仕事も同じで、時間を意識しないと求められている成果を残すことができません。
その仕事に向いていない
残念ながら、仕事が向いていないという理由でノルマを達成できないこともあります。
私達も人間ですから、どうしても得意不得意がありますよね。
性格的な部分で向き不向きがあったり、生まれ持った能力に偏りがあったりします。
学生時代を思い出してみて下さい。
勉強は出来ないけれど運動神経の良いクラスメイトもいれば、逆のパターンもあったはずです。
勉強でも、国語は得意でも数学が苦手だったりしませんでしたか?
それと同じです。
苦手分野もある程度なら努力で克服できるかもしれませんが、どうしても得意な人にはかないません。
それに、他に得意なことがあるのにそれを仕事に活かせず能力を眠らせたままにしているのは時間も労力も勿体ないと思いませんか?
もし苦手な意識があるのであれば、他業種に転職するのもありでしょう。
そもそも無理のあるノルマを設定されている
本来、ノルマは「頑張って達成できるギリギリのライン」であるべきです。
しかしブラック企業の中には到達不可能なノルマが設定されていて、達成できないとリストラや左遷を匂わせてプレッシャーをかけるところもあるのです。
労力の搾取だけでなく、自主退職に追い込むために嫌がらせとして過重ノルマを設定することもあります。
自分の能力不足でノルマを達成できないのなら努力はどうしても必要になりますが、職場がブラック企業だったなら話は別です。
1日でも早く逃げ出してしまいましょう。
自分が辞めることを言い出せないのであれば、退職代行を使うのがおすすめです。
退職代行っtってってなに?弁護士と弁護士じゃないサービスはなにが違うの?
仕事でノルマが達成できないときの対処法
仕事でノルマを達成できないと自信も持てないし、プレッシャーが辛いですよね。
「私ってこの仕事向いてないのかも…もう辞めたい…」とお悩みかもしれません。
ですが、諦めるのはまだ早いです。
できることは数多くあります。
ここでは、ノルマ達成できず辛い時の対処法を紹介していきます。
仕事の知識を身につける
営業や販売なら、商品知識を身につけることで成績の向上に繋がります。
商品の良さや特徴を知ることでお客様にわかりやすく説明できるようになりますし、知っている分自信を持って
商品をアピールできるようになります。
商品知識だけでなく、仕事の様々なノウハウを学ぶことも有効です。
時間の使い方、仕事術を知るだけでぐっと違ってきます。
社内の人に教えてもらうことがおすすめですが、書籍から学ぶこともできます。
段取り力をつける
段取り力をつけることで、時間の無駄が少なくなります。
無駄がなくなればそれだけ時間を仕事に使えるようになり、より多くの成果をのこすことができます。
段取り力をつけるための第一歩として、書籍やネットで時間管理術を学ぶことがおすすめです。
今は電子書籍も多く出ていますので、スマホひとつあればできます。
手帳の使いこなし方もたくさん出ているので、仕事に活かしてみましょう。
周りと積極的にコミュニケーションを取る
コミュニケーション能力は、すぐに鍛えることはできません。
契約を多く取りたくても、営業スキルを伸ばすには場数を踏まなければなりません。
ならばせめて、社内の人と積極的にコミュニケーションを取ることから始めてみましょう。
仲の良い人が1人でもできれば、良い情報を得られるかもしれません。
毎日の挨拶ができていないなら、まずはそこから。
仕事が終わった後、上がる前に雑談をしてみてもよし。
連休中に帰省したり旅行に行ったりする時はお土産を買ってくるだけで気持ちは伝わりますし、話のきっかけにもなります。
人の話をきちんと聞く
ノルマを達成するためにアドバイスをしてくれる人がいたら、話をきちんと聞くようにしましょう。
周りの意見を受け入れるかそうでないかで、成長度合いはぐっと変わってきます。
また、人の話をよく聞く能力はお客様と接する時にも必須のスキルとなります。
逆の立場に立って考えてみましょう。
話を聞いてくれない、一方的に話をしてくる人から物を買いたくはないですよね。
トークスキルだけが接客ではないのです。
異動願いを出す
努力しても結果が出ない場合は今の仕事が向いていない、あるいは人間関係などを含む職場環境に恵まれていない可能性があります。
大きな会社で部署が多数あるなら、異動願いを出すことでより自分に合った部署で働けるようになる可能性があります。
例えば、営業が向いていなくても技術職が向いていればそっちで活躍できるかもしれません。
退職代行を使う
もし職場がブラック企業だったら、一刻も早く逃げ出したいですよね。
退職を決意しても、引き止められて辞めさせてくれない企業もあります。
そんな時は、退職代行がおすすめです。
ブラック企業で心身共に限界まで追い込まれた時には最後の手段として考えてみても良いでしょう。
費用は数万円かかってしまいますが、本格的にメンタルを病んでしまい通院費がかかることと比べたらトータルで考えると安上がりなはずです。
退職代行は3万円で退職することができるSARABAクンがおすすめです。
退職代行とは?弁護士と弁護士じゃないサービスはなにが違うの?
転職をする
今の職場にいることが辛く異動願いを出しても受理されない、異動先が無い時は転職を考えてみましょう。
転職によって環境を変えることで、状況は大きく変わるかもしれませんよ。
転職活動におすすめのサービスとして、転職エージェントがあります。
転職サイトに載っていない非公開求人を見られるのも良いですが、何よりスケジュールの調整もしてもらえるので在職中の転職活動に向いています。
退職して時間のたっぷりある状態で次の就職先を探すのも良いですが、収入源を断たれていると金銭面で不安がありますからね。
その他、面接の対策をしてもらえたり、キャリア相談に乗ってもらえたりするメリットもあります。
未経験からの転職でおすすめの転職エージェント!分野別にご紹介します
まとめ
以上が、仕事のノルマを達成できない辛さや理由、対処法になります。
本人次第で克服できることもありますが、残念ながら職場の環境が悪いためにノルマを達成できないこともあります。
ノルマを達成するために努力が必要なのは当然です。
もしノルマがなかったら、社員は楽をしようと怠けてしまいますからね。
ですが、そのために心身を壊してしまっては意味がありません。
本当に限界だと思ったら、環境を変えることを考えてみても良いでしょう。
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